世界でたったひとつのピアノ、歴史を一緒に紡いできたピアノ、
次の世代に引き継いでいくために、大切にして欲しいと思っています。
より長く一緒に過ごすために、日々のお手入れ方法をご紹介します。
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ピアノの掃除は乾拭きで
掃除の際の濡れ拭きは、水分がピアノ内部ににじんでしまう可能性を考えると、お勧めできません。ほこりやちょっとした汚れは、乾いた素材の布地などで軽くはたき落とすようにしてください。乾拭きではどうしても取れないような汚れは、是非プロにお任せください。ピアノ調律・修理の際などに、合わせて綺麗に清掃いたします。どうしても自分で、という場合は、水気を固くしぼって、可能な限り水分を落とした清潔な雑巾などを使うようにしてください。
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湿気に気をつける
木製の素材で作られているピアノにとって、湿気は厄介な問題です。ピアノを置いている部屋では雨の日や、雨が上がった直後に、窓を開けないようにしてください。長い年月の積み重ねで、小さな部品などから確実にダメージが蓄積してしまいます。一方で、乾燥しすぎた空気も、ヒビや劣化破損の原因になります。可能であれば除湿器や加湿器を上手に使って、40%くらいの湿度を維持できるようにすると良いでしょう。
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水気のあるものを近くに置かない
ピアノの上に花瓶やコーヒーカップを置いているご家庭をたまに見かけますが、これはピアノにとって、とても危険な状態です。鍵盤の下では、糊づけされたフェルト生地など、水分に弱い部品が多数収められています。カップ一杯の水で、ピアノはすぐに壊れて音を奏でなくなってしまいますので、水気のあるものは絶対にピアノの近くに置かないように気をつけてください。
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防虫対策には日常的なお掃除を
ピアノの中は、大きな空洞になっています。この中に羽アリやゴキブリなどの虫が入り込んでしまうことも珍しくありません。放置すれば、内部の部品やピアノの本体そのものも、虫食いになってしまいます。ピアノドクターでは、ピアノ調律の際に防虫剤をピアノの中に設置させて頂いております。防虫のためにも、年に1回の調律メンテナンスをお勧めしています。ご家庭では、ごく日常的なお掃除、を心がけてください。
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部屋の換気を心がける
空気が流れずに留まっていると、湿気がピアノに吸着してしまいます。雨の日、風が強くほこりが心配な日などでなければ、こまめに部屋の換気をして、ピアノにも新鮮な空気で呼吸をさせてあげてください。また、ピアノカバーは全体を覆い隠す「オールカバー」より、背面が大きく開いている「ハーフカバー」を使用した方が、カバーの内側に湿度がこもりません。「ハーフカバー」をお勧めします。